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- 結婚式の引き出物はなぜ必要?
- 年賀状やお歳暮はどうして行うの?
- 無料点検・無料サンプルはなぜ無料?
贈り物を頂いた際はとても嬉しい気分になります。しかし、そのまま貰いっぱなしでは自分の気持ちが収まりません。
頂いた物よりも大きなお返しをしなければならないという、ある種の義務感が生まれます。
テレビの通販番組で無料サンプルを提供する場面がありますが、「なぜ無料なのかな」と疑問に思うケースは多いです。
私は2003年に結婚、名古屋駅前にあった高砂殿ザ・グランドティアラで結婚式を挙げました。
これまで親族間の年賀状やお歳暮は行なってきましたが、あまり高価なものを送ると相手に不快な義務感を与えてしまうということに気づいて、今ではそのような贈り物は控えています。
この記事では、返報性の原理について身近に存在する事例を交えながら分かりやすく解説をします。
この記事を読めば、返報性の面白さや恐ろしさを理解することが出来ます。
私もこの記事の内容を読んで、贈り物が意味する真意を理解することが出来ました。
「贈り物をもらう意味、知りたくありませんか?」
ぜひ最後までご覧ください!
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この記事で分かること
1. 返報性とは何か?
返報性とは「相手から何かしらの恩恵を受けた場合に、自分も同じような形でお返しをしなくてはいけない」というものです。
私たちの身の回りに存在する、最も影響力のあるものです。
贈り物を送るような厚意は本来の返報性がもつ素晴らしい性質なのですが、その性質を悪用した事例があるのも事実です。
もし自分が悪用されそうになった場合は、一旦状況を整理して今起きていることを再定義してください。
自分への「贈り物」ではなく「販売されている物」と再定義するだけで、返報性の影響力を受けることなく危機を脱出することが出来ます。
1-1. 返報性の原理 例:結婚式の引き出物
結婚式の引き出物は、新郎新婦からゲストに対して感謝の気持ちを込めて贈られる品物です。
ゲストが結婚式のご招待や引き出物を受けとると、その恩恵を与えてくれた新郎新婦に対して将来にわたってお返しをせずにはいられない気持ちになり、関係性が継続します。
恩恵を受けると何か借りができたように思うのは一般的な現象です。
小さな恩恵は時間とともに気持ちが薄れますが、結婚式の引き出物は長い間心の中に残ります。
結婚後の新しい生活では、お互いの家族・親戚・仕事関係・友達などの大きな輪の中で関係性をもって生活をする事になります。
この関係性がうまくいけば、2人にとってこの上なく幸せな形になります。
その為きちんと気持ちのこもった引き出物を選定し、心を込めてゲストの方々にお渡しすることが大切です。
1-2. 返報性の原理 例:年賀状やお歳暮
私が結婚した年の年賀状送付枚数は200枚以上でしたが、今は20枚です。
昔は写真選び・構成・コメント、かなり時間を使って仕上げていたなー。
今の時代、SDGs(持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals))がトレンドです。
▶️ 外務省の公式サイト(JAPAN SDGs Action Platform)
ペーパーレス化は目標15・陸上資源に貢献できるので、年賀状作成枚数が減るのは時代の流れと言えます。
近年はSNS(Social Networking Service)の普及によって、メールやLINEで年末年始の挨拶を済ませる傾向が増えました。
年賀状がSNSにとって変わることで、気軽に返信することができ時間工数を削減できるのが最大のメリットです。
返報性の原理も薄れて、急いで年賀状のお返しをしなければならない という事態も発生しません。
勤め先や利害関係者へのお歳暮は、返報性の原理からあまり好ましくありません。
純粋な贈り物ならまだ良いですが、真の目的が出世・報酬up・商談成立だとすると、贈り物をするだけでその目的を達成する確率が格段に上がってしまいます。
過度な贈り物は相手に不快な義務感を与えてしまう上に自分に有利な状況をもたらすことになるので、そのような贈り物は控えることが大切です。
1-3. 返報性の原理 例:無料のからくり
自動車ディーラーが行う無料点検・スーパーで配られる試食品、これらは無料であって無料ではありません。
商品の良し悪しを知ってもらう・消費者の反応を見るという側面もありますが、無料と言いながらある種の贈り物であることから、お返しをしなければならないという義務の力を発動しているのです。
スーパーで販売員から試食品をもらった後、爪楊枝と小皿だけを捨ててその場を立ち去る際に「後ろめたさ」が残ります。
人によってはその圧力に耐え切れず、買う予定がなかったのに試食品の商品を買ってしまう事があります。
返報性の原理がよく効いている事例ですね!
2. コントラストの原理
私が結婚式を準備していた当時、普段の生活とはまるで違う金銭感覚になってしまいました。
打合せで飛び交う何十万円という数字に対して、数万円がとても安く感じてしまう出来事がありました。
普段の生活では数万円はとても大きなお金なのに、結婚式に関わる費用は何十万円という単位になるので数万円が小さく見えてしまいます。
これがコントラスの原理です!
商売で使われている代表例として「譲歩的要請法」があります。
返報性の原理とコントラストの原理が組み合わさると、恐ろしいほど強力な力になります。
結婚式の費用に関する詳しい内容は、以下で解説をしています。
2-1. コントラストの原理 例:自動車ディーラーのテクニック
車を購入する際、一般的に試乗をしてから価格交渉が始まります。
試乗した時点で既に返報性の原理が効いていて、車を買わなくてはいけないという目には見えない圧力を感じることになります。
最初に販売員は、あえてグレードの高い車をおすすめしてきます。
さすがに予算を大きくオーバーするのでノーマル仕様への変更をお願いしたところ、販売員はそのお願いを承諾する代わりにカーナビなどのオプションを次々とすすめてきます。
これを「譲歩的要請法」と言います!
何百万円の取引き後なら、オプションの数万円は、コントラストの原理が効いて取るに足らない金額に思えてしまいます。
様々な手法を駆使して販売員は価格交渉をしてきますが、「これは販売のための交渉だ」と自分の心の中で再定義をしてみましょう。
後悔することなく、納得して車を購入することができます。
一貫性の原理に関する事例については、以下で解説をしています。
社会的証明の原理に関する事例については、以下で解説をしています。
いかがでしたでしょうか。
返報性の原理について、事例を交えながら解説をしました。
返報性の面白さや恐ろしさが実感できたのではないでしょうか。
「人はなぜ、そのような行動をしてしまうのか、もっと知りたくありませんか?」
この記事が皆さまのお役に立てば幸いです。
【参考文献】影響力の武器[第三版] なぜ、人は動かされるのか
ロバート・B・チャルディー二 2021年6月5日 第31刷発行